エズナ遺跡(マヤ文明) メキシコ



五層の神殿が聳える大都市 エズナ

階段状の美しいピラミッド「五層の神殿」

エズナは、ユカタン半島のマヤ遺跡の中で、本格的な発掘調査が行われてまだ日が浅く、あまり知られていない遺跡だ。

エズナ谷と呼ばれるこの地域に人が集まって集落が形成され始めたのは紀元前4〜5世紀とかなり古い。その後都市が発達し、巨大神殿がたくさん作られるまでに発展したのは西暦1000年ころのこと。その後、周辺の他のマヤの都市が次々と放棄される中でもエズナは維持され続け、放棄されたのはスペイン人到達直前の1500年ころとされている。

エズナの大きな特徴は、雨季に降る大量の雨を活用する水利システムが発達していたこと。谷の底に位置する都市であったため、周辺に降った雨水を引き込んで貯水池に溜め、これを農耕の灌漑システムや運河を巡らせた移動・物流システムなどに利用するという高度な社会システムを構築していた。

こうした都市やシステムの建設には膨大な人力が必要なことから、エズナの最盛期は、かなり大規模な都市国家であったと推測されている。その象徴である五層の神殿や様々な建築物が集まったグラン・アクロポリスなどをみると、この都市の大きさや豊かさを感じることができる。


      


エズナ遺跡の中心である大広場に面した「Nohochna(ノホクナ=大きな家)」。巨大な階段状の建築物で長さは135m。広場で行われる催しを見るための観客席として使われていたと考えられている。


Nohochnaから見た大広場の南東側。左がグラン・アクロポリス、右の端にマヤの都市には欠かせない球技場がみえる。


球技場を上から見たところ。かなり崩れてしまっている。都市の規模の割には小さい感じがする。左上の木の間から五層の神殿の姿が見える


球技場の後ろに位置する仮面の神殿の下部に残されている漆喰彫刻。神殿の階段を挟んで左右に一つずつ顔があるが、これは太陽神の顔で、夜明けの太陽と夕暮れの太陽を現している。


グラン・アクロポリスの基壇の上部には広場があり、正面に五層の神殿、右側に月の家、左側に北の神殿が聳える。この写真は、月の家側から見た広場と五層の神殿および北の神殿。


北の神殿の上から見た五層の神殿。プーク様式の特徴である円柱が1層目や4層目の開口部にあるのがわかる。また、左の下に丸みを帯びた階段状の部分がある。マヤのデザイナーたちは様々な形の神殿装飾を考えていたことが分かる。屋根がかかっている部分には漆喰による壁面装飾があるが、この神殿は登頂禁止になっていて近づけない。

 

エズナ遺跡の訪問レポートはこちら
第11回 エズナ遺跡



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勝手に評価

★★★

評価基準:
★★★★★=文句なしに素晴らしい、絶対お薦め。
★★★★=かなりいい、是非一度見てほしい。
★★★=なかなかいい、見逃すのは惜しい。
★★=まあまあ、期待しないで見てみてはどうでしょう。
★=特にお勧めはしません。


 遺跡公園としての整備が進んでいる中規模の遺跡。五層の神殿はなかなか見ごたえがあって素晴らしいが、建築物の多様さは物足りない。周囲の環境は静かで悪くない。見学者には地元の人が多く、外国人観光客が少ないのもいい。


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行き方

ユカタン半島の世界遺産都市カンペチェの東、バスで1時間ちょっとで行ける。カンペチェの旅行社がツアーを出しているが3人集まらないと出してくれないのが問題。一人で行くなら、カンペチェからローカルバスを利用するのがいい。カンペチェの城壁の外にあるアラメダ公園の近くからバスが出ている。

バスは1時間に1本はあるのだが、帰りに待っていてもなかなかバスが来ないことがある。そういう場合は、乗り合いタクシーのミニバンがけっこう通るので、これを捕まえればいい。料金はバスとほぼ同じだ。


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ラテンアメリカ博物館
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