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テンプロマヨール遺跡の内部。後方に大聖堂カテドラルがある。
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テンプロマヨールはスペイン語で大寺院あるいは主寺院という意味で、アステカの首都テノチティトランの中心部にそびえる宗教儀礼の中心地だった。マヤやアステカではピラミッド状の基台の上に神殿を設けるが、テンプロマヨールの場合は二つの神殿が設けられていた。一つは雨の神トラロック、もう一つはアステカの軍神ウィツィロポチトリを祀っており、神殿上部までの高さは60mあったそうだ。
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ピラミッドの上部は破壊されてしまったため基盤部分だけが残っている。
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右の階段は古い神殿のもの、左の壁は新たに築いた神殿。
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アステカやマヤでは、新しい王が即位すると、先王時代に作られた神殿を覆い隠すようにして新たな神殿を築いた。これが何代か続くことで巨大なピラミッド神殿になるわけだ。テンプロマヨールの場合は、7層の神殿が残されていたそうだが、遺跡を見て行くと、内側の古い神殿の階段や壁面が残っていて、その構造がわかる。
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神殿の壁面や階段脇などが置かれた石像。古い時代から信仰されてきた神、羽毛の蛇ケッツアルコアトル(左)と雨の神トラロック(右)の像が多い。
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遺跡の中心部は屋根掛けをしており、そこには生贄の儀式に使われたチャックモール像などが置かれている。チャックモールはマヤの遺跡でもよく見られる、お腹の皿に生贄の心臓を捧げたという像だが、このように彩色が残っているチャックモールは珍しい。
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屋根掛けの下部分にある彩色レリーフが施された台座の一つ。着飾ったアステカの戦士が並んで行進している様子が描かれている。
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骸骨の彫刻が並んでいる祭壇ツォンパントリ。テンプロマヨールの広場では、実際に生贄の犠牲になった人の首を並べていたようだ。
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遺跡に隣接した博物館。外観はただの箱のような感じだ。
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博物館に入ると、まずは骸骨が並んだツォンパントリの復元壁がある。マヤの遺跡にもこのような祭壇があるが、こちらの方が規模も大きく、迫力がある。
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神や戦士を象ったほぼ等身大の素焼きの像が数体ある。中でも鷲の姿をしたアステカ戦士の像は見事な出来栄え。
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鮮やかな彩色が残る雨の神トラロックの像。
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博物館の目玉展示である、月の神コヨルシャウキを象った大きな石板。コヨルシャウキは、アステカ神話に登場する最高神ウィツィロポチトリのお姉さん。どこの誰の子ともわからないウィツィロポチトリを孕んだ母コアトリクエを恥じて殺そうとしたが、逆にウィツィロポチトリによって殺され四肢がバラバラになってしまった。この像はその状態を現している。
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2006年にテンプロマヨール脇の縦穴から発見された女神トラルテクトリの石板。安山岩で作られたこの石板は大きさが4.2m×3.6m、重量は12トンもある。トラルテクトリは、生と死の循環を象徴しており、自分の血を飲みながら、しゃがんだ姿勢で出産しているという、おどろおどろしい感じの女神。
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