ヤシュチラン遺跡(マヤ文明)メキシコ
ヤシュチランは4世紀から9世紀にかけて栄えたマヤの都市。メキシコとグアテマラの国境を流れるウスマシンタ川のほとりに位置するヤシュチランは、交通の要衝であったこの川の覇権を周辺諸都市と争っていた。特に、下流(北西)に位置するピエドラス・ネグラスとは長い間に渡って抗争を繰り広げていたようだ。
 遺跡の特徴は、王の姿やマヤ文字が彫刻された数多くの石碑が残されていることにある。この解読により、ヤシュチランの歴史や王の事績がかなり分かってきた。レリーフの芸術性の高さも知られている。


 

遺跡の入り口から建造物19方向を見た様子。周囲は鬱蒼とした密林に囲まれており、建物の石には緑の苔が生えている。ヤシュチランを意味する緑の石だ。


林の中の道を進むと、城壁のような建造物19が立ちはだかる。この建物に人一人が通れるくらいの幅のトンネルが設けられていて、中は真っ暗で進むのが怖い。説明版にはLaberinto(迷宮)と書いてあるが、まさにそんな感じ。この建物は建造物18及び76〜79が合わさった、ヤシュチランで最も複雑な形の建築物。


トンネルを抜けた所にあるグラン・プラサに面した側の建造物19。


グラン・プラサは東西に700m以上もある細長い形をしていて、周囲に様々な建造物が立ち並んでいる。木立が生えたままの未整備の状態がかえって神秘的な雰囲気を保つ。


グラン・プラサを囲む建築物群の中で特徴的なのは南側にある建造物21。内部に漆喰の彩色レリーフと王の姿を彫刻した石碑が立っている。


王の姿を彫刻した石碑。こうした石碑の多さと質の高さでは、ヤシュチランはマヤ随一の遺跡といえる。


グラン・プラサの南側にある小高い丘の上にあるのがグラン・アクロポリス。ここに上るための階段がグラン・プラサから続いており、ちょっと見ると巨大なピラミッドの上に神殿が載っているように見える。上り口には、石碑が建てられているが、かなり風化してしまっている。


階段の上にはグラン・アクロポリスの中心の建物である建造物33がある。大きな建物ではないが、立派な屋根飾りが残っており、神秘的な雰囲気を持った威風堂々たる神殿だ。この建物は「鳥ジャガー4世」という王の時代(8世紀中ごろ)に作られたもので、内部には頭が落とされた鳥ジャガー4世の石像の身体と頭部が置かれている。


グラン・アクロポリスの背後の丘の上に南の神殿がある。ここは、ヤシュチランで最も高いところに位置し、建造物39、40、41の3つの神殿が並んでいる。


南の神殿からアップダウンが続く山の中を歩くと小アクロポリスに出る。小さな広場を取り囲んで神殿などがいくつも並んでいて、森に囲まれた全体的な雰囲気が良い。




勝手に評価/お勧め度 ★★★★
★★★★★=文句なしに素晴らしい、絶対お薦め。
★★★★=かなりいい、一度見てほしい。
★★★=なかなかいい、見逃すのは惜しい。
★★=まあまあ、期待しないで見てみてはどうでしょう。
★=特にお勧めはしません。

アクセスが悪いため、まだ観光化があまり進んでいない遺跡。その分、観光客が少なく環境が守られている。遺跡の建造物については、特徴的なのが建造物33くらいで、他の大規模なマヤ遺跡に比べて特に見所が多いわけではない。お薦め度を★★★★にしたのは、他のマヤ遺跡に比べて神秘的であり雰囲気もいいからだ。ボートで遺跡まで行くのも探検気分が盛り上がっていい感じだ。グアテマラ国境に位置し、アクセスは悪い。だが、パレンケからツアーが毎日出ている。

 

ラテンアメリカ博物館
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