キリグア遺跡(マヤ文明)グアテマラ
キリグアに王朝が樹立されたのは西暦400年代のこととされる。マヤ文化圏の南東端にあたるこの地域は、現在のホンジュラスにあるコパンという大都市が支配しており、最初のキリグア王はコパン王の庇護のもとに新たな都市を築き始めた。
 キリグアの運命が大きく変わったのは724年にカック・ティリウという王が誕生したことからだ。この王は738年にコパン王を殺してしまう。小国の王が強大な力を持ったコパンの王をなぜ殺せたのか? 一説では、神聖な儀式である球戯でキリグアチームがコパンチームに勝利したことで、コパン王は意気消沈。そこを、反乱の機会をうかがっていたキリグアが襲ったという。
 これによりキリグアは勢力を拡大し、コパンは凋落していった。カック・ティリウ王はアクロポリスを建設するなど都市を拡大・整備するとともに、自らの像を刻んだ石碑を次々に作らせた。マヤ最大の石碑であるステラEなど、現在、広場に残る石碑の多くはこの王が作らせたものだ。


キリグアはグァテマラシティからプエルトバリオスへ行く途中にある。グァテマラシティの中心部にあるバス会社から出ているプエルトバリオス行きのバスに乗り、キリグア遺跡に通じる道路の入り口で降りる。ここから遺跡までは、歩くと30分以上かかる。近くのキリグア村からトゥク・トゥク(三輪タクシー)で行くこともできる。


 

遺跡に入るとすぐ緑の芝生に覆われた広場「グラン・プラサ(幅150m、長さ300m)」があり、数本ずつ固まった石碑がところどころに立っている。


マヤ遺跡の石碑に彫られた彫刻の多くは浅浮彫(ローレリーフ)だが、キリグアの場合は高浮彫(ハイレリーフ)になっている。写真のように、立体感のある美しい造形が特徴だ。


ステラCの横に彫られた、「2012年に世界が終わる」という予言の元になったマヤ文字の碑文。


キリグアの隆盛を示すマヤ最大の石碑ステラE(高さ7.62m)


キリグアの石彫で興味深いのは、獣形神(Zoomorph)と呼ばれる巨石だ。この石の表面には、神の姿やマヤ文字が隙間がないほどびっしりと彫刻されており、その異次元的なイメージに驚かされる。現在残されている獣形神のなかで、最もよく保存されている写真の獣形神Pは空シュル王が795年に作らせたものだそうだ。


獣形神Pの後部。たくさんのマヤ文字と神の顔が刻まれている。


静かな雰囲気のアクロポリス。




勝手に評価/お勧め度 ★★★
★★★★★=文句なしに素晴らしい、絶対お薦め。
★★★★=かなりいい、一度見てほしい。
★★★=なかなかいい、見逃すのは惜しい。
★★=まあまあ、期待しないで見てみてはどうでしょう。
★=特にお勧めはしません。

 

 神殿などの都市遺構にはあまり見るべきものはないが、大小様々な石碑や石彫は見ごたえがある。遺跡は熱帯林に囲まれ、さらにその周囲には広大なバナナプランテーションが広がっている。全体的よく整備されており、美しく静かで雰囲気はいい。アクセスは、キリグアの村からタクシーか三輪のオートバイタクシーがある。遺跡の施設は博物館、売店などがある程度。マヤの彫像が好きな人なら行ってみる価値はある。

 

ラテンアメリカ博物館
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