モンテアルバン遺跡(サポテカ文化)メキシコ

モンテアルバンは、サポテカ族によって紀元前500年ころに建設がはじまったといわれる。オアハカ近郊の山の頂上を切り開いて造られた集落はその後急速に拡大し、すぐに人口1万5000人を数える一大複合都市となる。外敵の侵入を拒む立地に恵まれたモンテアルバンはこの地方一帯を支配下におき、繁栄を謳歌した。当時の支配者達の力を示す、壮麗な墳墓と見事な装身具が見つかっている。最盛期を迎えるのは紀元300年ころで、人口は約3万人にも達した。

その後、ミシュテカ族が周辺地域に進出し、新しい都市が次々に建設されるようになる。それとともに、モンテアルバンは衰退をはじめ、紀元800年ころに都市は機能を失い、放棄されたといわれている。

写真は南の大基壇の上から見た全景。遺跡は、グラン・プラサと呼ばれる大きな広場を中心とし、その周囲に神殿などの建築物がいくつも並んでいる。ピラミッド型神殿の基台部分が並ぶ様は、同時代にメキシコ中央高原で勢力を誇ったテオティワカンを彷彿とさせる。

モンテアルバンはメキシコ南東部の古都オアハカの近郊にある。モンテアルバン行きのバスは街の中心部にある市場の近くから1時間に1本ほど出ている。

 

ピラミッド型神殿が並んでいるグラン・プラザの西側。その後ろにはオアハカ盆地が見える。


メソ・アメリカの古代文明の遺跡にはつきものの球戯場。


星の動きなどを見ていたという天体観測所。


人が踊っているような彫刻が施された石版。


モンテ・アルバンで最も古い時代に属する石碑。天体観測に用いられたと考えられている。


北の基壇上にある「沈んだ広場」。


北の基壇上から南の基壇方向を望む。


北の基壇のさらに北側には乾燥林の中に103、104号墳墓がある。


山の中を10分ほど歩いて到着した104号墳墓。建物の跡だけで何もない。


人類学博物館の104号墳墓展示(左)と7号墳墓から出土した銀製の装飾品(右)。




勝手に評価/お勧め度 ★★★
★★★★★=文句なしに素晴らしい、絶対お薦め。
★★★★=かなりいい、一度見てほしい。
★★★=なかなかいい、見逃すのは惜しい。
★★=まあまあ、期待しないで見てみてはどうでしょう。
★=特にお勧めはしません。

この遺跡の特徴は、雄大という一言に尽きる。遺跡の一番高いところに立つと、広大なオアハカ盆地とそれを取り巻く山々が360度見渡せる大パノラマが広がっている。遺跡の規模も大きく、個々の建造物も迫力がある。
 ただ、全体的にテオティワカンを思わせる大味な造りだ。石に彫った「踊る人」のレリーフもマヤの精緻なレリーフとは比べものにならない。併設の博物館は展示物が充実していて見ごたえがある。

 

ラテンアメリカ博物館
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