マヤパン遺跡(マヤ文明)メキシコ
マヤパンは1220年代から1440年ころまで栄えた、マヤ文明の古代都市の中でも新しい時代に属する都市だ。それ以前のユカタン地方北部は強大な勢力を持ったチチェン・イッツアの支配下にあったが、この支配者に対する反乱が起きてチチェン・イッツアは衰退、放棄されてしまった。その後、反乱を起こした者たちを中心に、チチェン・イッツアから100kmほど離れた場所に新しい都の建設が進められた。これがマヤパン(マヤの旗)だ。




ユカタン半島の中心都市メリダのノロエステ・バス・ターミナルから遺跡の前を通るローカルバスが1時間に1本程度出ている。メリダからの距離は40km程度だが、ローカルバスなので1時間ちょっとかかる。途中、町の中心にマヤの遺跡があるアカンケ(Acanceh)を経由する。

 

北側にある出入り口から入ると、すぐにあるのが「彩色壁龕の神殿(El templo de los nichos pintdos)」。壁龕というのは壁に設けたくぼみのような場所のことで、この神殿内の部屋に作られている。


彩色壁龕の神殿の西にある建造物58の上から見た、ククルカンのピラミッド(現地表示の直訳ではククルカンの城)。 現地の説明版によると、ピラミッドは、9層の階段状になっており、底辺の長さが30m、高さ18m。現在は失われているが、頂上には神殿があり、全体的に小ぶりではあるが、チチェン・イッツアのククルカンのピラミッドに形はよく似ている。


西側から見たククルカンのピラミッド。 等間隔に円柱が並ぶ廊下、あるいは広間は、チチェン・イッツアの戦士の神殿に隣接した柱廊を髣髴とさせる。ピラミッドに上る階段は西側が最もよく復元されており、少し怖いが登るのに問題は無い。


ククルカンのピラミッドの上から見た北の方向。 左にあるのが彩色壁龕の神殿、中央奥に漁師の神殿が見える。


ククルカンのピラミッドの東側にあるフレスコ画の広間には、鮮やかな赤や青で彩色された壁画がある。軍旗を持つ二人の戦士が向かい合っている図柄が繰り返されているそうだが、劣化や剥落が進み、良く分からない状態になっている。


ククルカンのピラミッドの東南角にあるレリーフ。 ピラミッドが一部分が崩落し、内部にあった古い時代の神殿の壁がむき出しになった。


ククルカンのピラミッドの東側にある円形神殿(El templo redondo)。 チチェン・イッツアのカラコル(天文台)によく似た建物だ。


円形神殿の南側にあるチャック神の仮面の広間(La sala de los mascarones del dios Chaac)。


円形の神殿。直径が12.5m、高さ7.5mある。内部には直径4.5mの円柱があり、外壁と円柱の間は幅2.75m、高さ6mの通路になっている。外観の形状も内部構造もチチェン・イッツアのカラコルとそっくりだが、カラコルが天体観測を行う施設だったのに対し、こちらは形だけ真似た儀式用の施設だったようだ。 現状を見る限り、カラコルの丸屋根には星などを観測するための窓が開けられているが、こちらにはそのようなものないし、内部天井の形状からも、天体観測用とは思えない。


出入り口に近い、東側にある「漁師の神殿」。草葺の屋根が設けられた場所に壁画が残されている。


漁師の神殿内部の床にあるフレスコ画。青を基調とした画面にワニや魚、人物が、赤や黄色を使って描かれている。




勝手に評価/お勧め度 ★★★
★★★★★=文句なしに素晴らしい、絶対お薦め。
★★★★=かなりいい、一度見てほしい。
★★★=なかなかいい、見逃すのは惜しい。
★★=まあまあ、期待しないで見てみてはどうでしょう。
★=特にお勧めはしません。

こじんまりとした遺跡だが、狭い場所に様々な建造物がひしめいているのが面白い。チチェン・イッツアのミニ版で、個々の建造物は他のマヤの遺跡と比べて、かなり雑な造りに感じる。ただ、ピラミッドに上ったり、神殿の中に入ったりできるのはいい。各所に残された壁画や彫刻も興味深い。周囲には、博物館も売店も何も無い。アクセスは、メリダから路線バスで1時間ちょっとで、比較的行きやすい。

 

ラテンアメリカ博物館
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