マチュピチュ (インカ文明) ペルー
アメリカの探検家ハイラム・ビンガムによって発見されたインカの遺跡。クスコからアマゾンに下る道の途中にある、山の上に位置している。ここを見ると、多くの人が「こんな山の上にこれだけの規模の町を何のために作ったのか」と思うだろう。周辺一帯を包む早朝の霧が風で払われて姿を現す遺跡の様子は、まさに「空中都市」という呼び方にふさわしい。

 なお、2017年7月からマチュピチュには新たな入場規制が実施されおり、行く際には注意が必要だ。このページ末に参考情報を掲載している。

 

 
マチュピチュ遺跡全体図


マチュピチュ遺跡行きのバス。朝5時半ころから運行が始まる。


朝の遺跡の入り口。大勢の入場客でごった返している。


遺跡の入り口から中心部へ続く道路。


遺跡内に入り、少し行くと「貯蔵庫」にぶつかる。周囲の段々畑(アンデネス)で収穫した食料を保管しておく施設だ。


周囲の段々畑はこんな感じ。丘の上にあるのは「見張り小屋」。


貯蔵庫の横を上っていくと「見張り小屋」の上に出る。


見張り小屋付近にある展望台からは遺跡の全体が見渡せる。


見張り小屋の南西、少し遠くから見た遺跡の全体。この時は乾季で雲がほとんどなかった。


見張り小屋から南西に向かう細い道を進むとインカ道の途中に設けられた「インカの橋」に出る。断崖絶壁の途中にあり、敵が侵入しようとすると丸太の橋を落として防御できた。


見張り小屋から南に向かうインカ道を進むと、インティ・プンク(太陽の門)に至る。途中の道を右に曲がると、マチュピチュ峰の登山口。


見張り小屋から北側に降りていくと、マチュピチュの中心部である市街地の入り口にある石門がある。


市街地の門から見張り小屋を望むが、霧でほとんど見えない。


晴れているとこんな風に見える。


市街地の門の北には石切り場、主神殿、三つの窓の神殿、聖なる広場などがある。


巨大な岩を使った主神殿。美しく加工された石を積み上げて作られており、非常に重要な建物であったと推測される。一部、壊れてしまっているのが残念。


主神殿の横にある「三つの窓の神殿」。文字通り三つの窓があり、その先にある広場や居住区が見渡せる。この石組みも美しい。


主神殿の北にある丘の上にあるインティ・ワタナ。「太陽をつなぎとめる」という意味を持つ石で、日時計のような使い方をしていたようだ。マチュピチュの市街地の中では最も高い場所にある。


インティ・ワタナ近くから見ると、断崖の下にウルバンバ川が見える。こんな急な斜面にも段々畑を作っている。


遺跡の北端、ワイナピチュへの登山口付近にある聖なる石。周囲にある山の神への祈りのために作られたといわれている。実際の山の形を模した、このような石が遺跡内にはいくつもあるが、これはかなり大きい。


聖なる石から南に向かったところにある「コンドルの神殿」。手前の石がコンドルの頭の形に加工されている。後方にはコンドルの羽に見立てた自然石がある。その後ろには神殿があり、窓のようなくぼみには先祖のミイラが置かれていたそうだ。


雨の中を出入り口に向かって南に移動。この位置からは遺跡の中心部が眺められていいのだが・・・。


晴れているとこんな感じになる。


遺跡の出入り口の前にはホテルとバス停、カフェテリアがある。




勝手に評価/お勧め度 ★★★★★
★★★★★=文句なしに素晴らしい、絶対お薦め。
★★★★=かなりいい、一度見てほしい。
★★★=なかなかいい、見逃すのは惜しい。
★★=まあ、期待しないで見てみてはどうでしょう。
★=特にお勧めはしません。

マチュピチュ遺跡の素晴らしさは、遺跡そのものより、遺跡が存在する場所だ。周囲をアンデスの山々に囲まれ、遺跡の後方にはワイナピチュがそびえている。最初に見た時は、思わず感嘆のため息を漏らしたほど、神秘的で美しい遺跡だった。

ただ、行く時期によって多少雰囲気は違う。一度目は、雨季の終わりころで、遺跡の緑が濃く、雲に覆われた遺跡の神秘的な姿が素晴らしかった。二度目は乾季の真っ只中だったため、雲がなく神秘性はかなり薄れていた。今回は、雨季の終わりを選んだのに、悪天候に悩まされた。雨でほとんど遺跡見学ができなかったが、朝方、美しいマチュピチュの姿が見れたのはよかった。どのような時期に行くかは、かなり難しい問題だ。

近年の入場規制の強化で、難しくなってはいるが、是非、ワイナピチュ峰やマチュピチュ峰にも登ってほしい。


マチュピチュ旅行情報

マチュピチュ行き列車=マチュピチュ行きの観光客用の列車は3種類ある。最も安い「エクスペディション」で片道が6000円〜1万円、その上の「ビスタドーム」で7000円から1200円くらいだ。出発時間によって、列車と料金が異なる。列車の予約は旅行会社に頼むのが安心だが、クスコやリマにある鉄道会社の事務所、あるいは列車の出発地であるオリャンタイタンボでも購入できる。

オリャンタイタンボ=列車は一部途中のポロイ駅から出発する便を除き、オリャンタイタンボ発となっている。このため、オリャンタイタンボまではバスかタクシーで行く必要がある。オリャンタイタンボがある「インカの聖なる谷」は近年、マチュピチュ観光の基地として発展しており、路線バスやコレクティーボ(乗り合いタクシー)が頻繁に走っている。クスコからオリャンタイタンボまでは、スピードが速いコレクティーボで約1時間半。

マチュピチュ入場規制=2017年7月からマチュピチュには新たな入場規制が実施されている。規制は主に二点ある。一つは、これまでは朝6時から夕方の5時半までとなっていた入場時間が、午前と午後の部に分けられた。入場者はどちらかを選ばなければならない。二つめは、入場は正規のガイドと一緒でなくてはならない。従って、個人旅行の場合はガイドを雇うかツアーに参加する必要がある。

 

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