サンクリストバル・デ・ラス・カサス
 メキシコ

数多いメキシコのコロニアル都市の中で一風変わった雰囲気を持っているのが、南部のチアパス地方にあるサンクリストバル・デ・ラス・カサス(以下サンクリ)だ。この地方ではスペイン人がやってくる前はマヤ民族の諸都市が栄えていた。この地方を平定したスペイン人が、マヤ人にキリスト教を受け入れさせたため、彼らは一応それに従った。しかし、決してマヤの伝統的な宗教や文化を捨てたわけではなかった。スペイン人による先住民の奴隷化などに対し非難の声を上げ、スペイン国王を動かしたバルトロメ・デ・ラス・カサス神父などの活動もあり、マヤ人の伝統文化は今に至るまで受け継がれ、この地に根付いているのである。

メキシコシティからは、飛行機で州都トゥクストラ・グティエレスまでいき、そこからバスで約1時間。メキシコシティやオアハカからは長距離バスも出ている。

 

マヤの人々が住むチアパスの山の中に作られた街であるサンクリは、メキシコにおけるマヤ民族研究の拠点となっている。また、スペイン植民都市独特の古風な街並みもあり、多くの旅人を惹きつけるようになった。1994年には、先住民の権利擁護を訴えるグループが武装蜂起し、一時、サンクリの街を占拠したこともある。一方、メキシコ政府は、地域の安定化を目指す政策を推し進め、この地方の観光開発が進んだ。これにより、街はリニューアルされて綺麗になり、今では世界中から大勢の観光客がやってくる。


カラフルな色に塗られたカトリックの大聖堂カテドラル。カトリックの本家スペインではこんな色に塗った教会は見たことがないが、グアテマラのマヤ系の人々が多い地域ではカラフルな色の教会は珍しくない。


街中の商店や一般家庭でも壁をきれいに塗っている。コロニアル都市では街全体の調和をはかるために壁の色を統一しているところが多く、この街では黄色が基調のようだ。


街の中心部には観光客が多く、それを目当てにマヤの女性たちが織物などを売る姿がよく見られる。


12月になると、丘の上の教会のお祭りがあり、メキシコで信仰されるグアダルーペのマリア像が街を練り歩く。


サンクリには日本人が経営する日本人宿がある。先住民を擁護する活動に共感した一人の日本人が開いたバックパッカー御用達の宿だ。宿の主人は数年前に亡くなったが、その遺志を継いだ人々によって細々と経営が続けられている。宿泊料金が非常に安いので、お金のない若い旅行者に人気がある。



 

ラテンアメリカ博物館
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