マチュピチュの峰に登る! (ペルー)

神秘の遺跡を望む知られざる山へ

入山チケットが取りやすいマチュピチュ峰

マチュピチュ遺跡の背後にワイナピチュ峰がそびえているのは写真でよく見ます。しかし、マチュピチュ峰という遺跡と同じ名前の山があるのはあまり知られていません。実は、マチュピチュ峰はマチュピチュ遺跡を挟んでワイナピチュ峰の反対側にあり写真に写ることもあまりない山なのです。

以前は自由に登れたワイナピチュは登山人気が高くて、ハイシーズンには1か月前に入山チケットの予約が必要とのことですが、マチュピチュ峰はあまり知られていないため、直前でも登山チケットが入手できるそうです。今回はこのマチュピチュ峰に登ってみようと思います。

雲に包まれたマチュピチュ遺跡とワイナピチュ峰。

オリャンタイタンボへ

マチュピチュ行きの列車を運行しているペルーレイルのルート図を見ると、ポロイ(POROY)駅からマチュピチュ駅まで示されています。ただ、ハイラムビンガム号のような特別列車はポロイから出るのですが、観光列車の多くは途中のオリャンタイタンボから出るのです。このため、まずはクスコからそこまで行く必要があります。列車の切符はクスコのチケット販売所で購入できますが、私は事前に旅行会社で購入しておきました。

オリャンタイタンボ行きのバス停は太陽の神殿コリカンチャから歩いて5分ほどのところにあります。急いでいる場合はこのバス停から出る乗り合いタクシーを使う手もあります。バスより早いし、料金も大差ないのですが、運転手によってはものすごくスピードを出すのでちょっと危険な感じがします。

この時も、乗り合いタクシーを使いましたが、同乗者の女性が運転手に「安全運転でお願いします」と言っていました。しかし、聞く耳を持つ運転手はいませんね。

ペルーレイルのホームページに乗っている列車のルート図

タクシーはオリャンタイタンボ村を抜けて駅の近くに止まりました。そこにはペルーレイルとインカレイルのチケットブースがあって、列車の当日券が買えるようになっています。3月上旬はシーズンオフですから、列車は空いているようでした。

オリャンタイタンボ駅の入り口

最前列の席が取れた!

列車の発車時間になり、いよいよ予約した列車「ビスタドーム」に乗り込みます。その名前通り、客車の天井角部分が丸いガラス張りになっていて、上の方の景色も見えます。実際にはあまり意味はないのですが・・・。

チケットには座席指定の番号が2と記されていました。最前列を見ると、運転ブースの横が2席設けられています。前の窓から進行方向を見ることができるのですから、この列車の中で最良の席と言えます。

後で、チケットの予約をお願いしたツアー会社の担当に聞くと、「早く予約しても席の指定はできないので、その席が取れたのは運がいい」と言っていました。

列車に乗り込む乗客たち

ビスタドームの客車内

列車が、突然、森の中で停車

列車は激流のウルバンバ川沿いを快調に走り、1時間ほど経ちました。その時、突然、列車が止まってしまったのです。車掌がやって来て「崩落事故があって、しばらく停車する」と言います。しかし、2時間経っても動く気配がありません。乗客たちはじっとしていられなくなったようで、列車のドアを開けて降り始めました。

大勢の客が列車から降りてうろついていた

待つこと4時間。夜8時半になってようやく列車が動き出しました。9時過ぎになって、列車は沿線にレストランやバーなどが並び、まばゆい光が溢れるマチュピチュ駅に到着しました。以前はアグアス・カリエンテスと呼ばれていたマチュピチュの町は、レストランやホテル、土産物屋が駅周辺に密集する一大観光地となっており、常に大勢の観光客で溢れています。

マチュピチュ駅の夜は賑やか

遺跡行きのバスは長蛇の列

マチュピチュ峰に登るには、午前7時から8時、午前9時から10時の2グループのどちらかを選択しなくてはなりません(現在は変わっているかもしれないので要確認)。チケットにその時間が記入され、遅れると入山できないそうです。

私は遺跡見学の時間を考えて7時からを選択しました。ただ、遺跡内の登山口に朝7時ころに着くためには、6時ころマチュピチュ村を出るバスに乗る必要があります。バス乗り場はいつも長蛇の列になるため、6時15分前には並んでおきたいと思いました

宿泊したホテルは朝の早い客のために5時から朝食を用意してくれます。食事を終えて5時半にホテルを出ました。10分ほどでバス乗り場に着くと、聞いていた通り旅行者の長い列が道路を埋めています。しかし、中型のバスが次々と来るので、15分ほど待っただけでバスに乗ることができました。

マチュピチュ遺跡行きのバスはきれい

マチュピチュ峰登山口へ

30分もかからず遺跡の入り口に到着。ところが、ここも入場を待つ人達が大勢いて、入り口ゲート前の階段は埋め尽くされています。

遺跡内には食べ物の持ち込みは禁止されていると聞いていたので、私は水しか持ってこなかったのですが、入場ゲートでは特にバック内を調べたりすることはありませんでした。遺跡だけなら水でいいと思いますが、山に登る場合はエネルギー補給用の食べ物を多少は持って入ってもいいのではないでしょうか。

すでに7時近かったため、遺跡内を歩いてマチュピチュ峰登山口に向かいました。マチュピチュ峰はワイナピチュ峰とは反対側に聳えるため、途中のテラスからはマチュピチュ遺跡とワイナピチュの絶景が見られます。

遺跡の入り口前も大混雑!

遺跡の入り口付近の通路

マチュピチュ峰の登山口方向に広がるテラス

マチュピチュ峰登山を開始!

7時ちょうどに登山口に着きました。すでに10人ほどが待っており、ゲートが開くと小屋で登山ノートに自分の名前を記入してから坂道を登り始めました。

10分も坂を上ると、もう、嫌になりました。坂がきついし、周囲は林で景色は見えないし、ただ苦しいだけです。頂上までは2時間と聞いていましたが、これではとうてい上れないと思いました。

ワイナピチュの方は切り立った崖に付けられた道を昇っていくので、結構辛いのですが、景色が見られる楽しみがあったように記憶しています。こちらは、最初のところは景色が見える場所が少なく、インカ道の石の階段をひたすら上り続けるしかないのです。

登山口には開門を待っている人たちが・・

こんな感じの石段が延々と続いている

断崖のそばを通る石段もある

1時間45分で頂上に到着

それでも、急がず、「時間が無くなれば途中で戻ろう」という気持ちで、一歩ずつ階段を上り続けました。途中、何カ所も設けられている展望台に着くと、しばらく休憩し、ゆっくり景色も楽しむようにしました。周囲は雲に覆われていて、ほとんど景色は見られませんでしたが…。

1時間半を経過するころ、山道は細くなり、崖の淵を歩くようになりました。右後方の雲の間からワイナピチュの尖った峰が突き出しているのが見えます。晴れていれば、マチュピチュとワイナピチュの絶景が見られると思います。

やがて、急な坂の上に空に突き出すような展望台が見えました。「ひょっとしたら頂上が近いのか?」と思い、最後の力をふり絞るようにして登っていくと、それは頂上直下の展望台でした。結局、1時間45分ほどで頂上に到着。着いてみると、意外にあっけなく、最初に思ったほど大変ではなかったような感じです。

残念なのは天気です。マチュピチュ峰は標高3060mあり、ワイナピチュ峰の2720mより高いのです。晴れていれば、頂上から周囲を囲む山脈群の360度パノラマが楽しめるはずですが、この時、周囲は完全に厚い雲に覆われており、厚い雲が時々私たちを包み込んで真っ白になります。待っていても雲がなくなる様子が見えなかったため、あきらめて下山することにしました。

下の方にワイナピチュが見える!

頂上から見た景色。下方に展望台がある

ここがマチュピチュ峰の頂上。なんも見えん!

雨が降って来た!!

登山口には10時過ぎに戻って来ました。これから遺跡をゆっくり見学しようと思ったのですが、雨が降り始めました。

大勢の観光客が遺跡の屋根のある部分に固まって空を恨めしそうに見ています。私は、持っていたレインウエアを着て少し歩きましたが、防水ズボンに水が浸透するほど濡れてしまいました。しばらくしたら雨が上がるかもしれないと屋根の下で待ってみたりしたのですが、雨脚はかえって強くなるばかりです。

遺跡が濃い霧に包まれてしまった!

雨に濡れながらの観光も仕方ない

雨が止まず村へ帰る

昼が近かったため、一旦遺跡の外で食事をして雨が上がるのを待つことにしました。遺跡の外にはホテルのレストランとスナックがあります。レストランはビュッフェ形式で4000円以上しました。そこで、スナックに行きましたが、ここにも長蛇の列。屋根付きのオープンテラスのテーブルは人で埋まっています。それでも、食事を終えて帰る人も多いので、少し待てば座ることができました。

大きなハンバーグとコーラ(両方で1300円くらい)を頼み、派手に雨漏りする屋根の下で、水滴をよけながら食事を済ませました。午後1時になっても、雨はやむ気配を見せません。衣服が濡れているせいもあって座っていると寒いのです。ついに待ち続けるのが苦痛になり、あきらめて村に帰ることにしました。遺跡をじっくり見たかったのに、残念ですが仕方ありません。

一旦、遺跡外へ退避することに・・

村へ帰る人たちがバスを待つ。奥の建物の2階がスナック

ワイナピチュ峰と比べると

天気が悪く、マチュピチュ峰をあまり楽しめなかったのは残念でした。以前登ったワイナピチュ峰と比べてみると、登るのは、時間はかかるものの、インカ時代の石段がほとんどのこちらの方が楽な感じです。ワイナピチュは切り立った崖につけられた登山道をよじ上るので、スリルもあり、少し大変です。

上から見る景色は、マチュピチュ峰はワイナピチュより高いため、周りを取り囲むアンデスの山々の景色が素晴らしく、ワイナピチュは数百メートルの切り立った崖から見下ろすウルバンバ川沿いの景色が素晴らしいです。どちらか選ばなくてはいけないなら、やはりワイナピチュだと思いますが…。



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