メキシコ南部のユカタン半島西部に位置し、スペインの殖民都市として栄えたカンペチェ。メキシコで集めた富をスペイン本国に運ぶための拠点港だったことから、カリブ海を荒らし回る海賊たちに何度も襲撃を受けた。このため、街を防衛するために砦や防壁を築く要塞化が進められた。また、支配者であるスペイン人たちは城壁に囲まれた市内中心部に住み、植民地支配による富を使ってスペイン風の建築様式の施設や住居を整備したのである。この要塞や市内の美しい町並みは現在も残っており、その歴史的価値が認められて1999年に世界文化遺産に登録された。
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