世界遺産チャンチャン遺跡巡りに出発
|
トルヒーヨの遺跡ツアーは、午前中が「太陽のワカ、月のワカ」、午後から「ドラゴンのワカ」と「チャンチャン遺跡」を巡ります。ツアーによって行程が異なり、遺跡より海岸を楽しみたいという人には、昼からワンチャコ海岸に行くコースも出ています。
午前中の見学を終えた私たちは昼にいったんホテルに戻りました。そこで、一緒のツアーに参加したメキシコ人親子と一緒に、ホテルのレストランでランチをしたのです。
ペルーは結構物価が高いので、町のレストランで普通に食事をすると、すぐ1000円を超えてしまいます。しかし昼のランチメニューを出している店を選べば、飲み物、前菜、メインのセットで500円以下で食べることができます。写真は宿泊しているホテルのレストランのランチで、選べる前菜とチキンの柔らか煮と飲み物。おいしかったです。他の人は魚のフライをメインに選んでいました。
|
 |
ボリューム感のあるメイン。飲み物はお代わりができる。 |
|
レリーフの壁が特徴のドラゴンのワカ
|
車は午前中とは反対方向に走り、まず、ドラゴン(あるいは虹)のワカに到着します。これは、チムー時代のピラミッド型の建造物で、その壁にはドラゴンのように見える動物や虹などを組み合わせたレリーフが残されています。
この建築物がなんのために作られたか良く分かっていないそうですが、食料などの保存庫とともに人の子供やリャマの骨などが発見されたことから、生贄の儀式を行った宗教施設だったのではないかと考えられるようです。
遺跡の規模は小さいですが、壁のレリーフが結構面白いと思います。
|
 |
階段状の建築物の壁一面にほぼ同様のレリーフが繰り返し施されている。
|
 |
レリーフの拡大図。アーチ状のものが虹に見えるため「虹のワカ」と呼ばれる。ドラゴンのイメージはチムー時代には存在しない。 |
|
インカに滅ばされた強大なチムー帝国
|
次はいよいよチャンチャン遺跡です。かつてチムー帝国の首都だったとされる所です。チムーは西暦900年ころから1470年ころまで栄えた文化で、インカ帝国がペルーの山岳部から海岸部に版図を広げたことで戦争となり滅ぼされました。
二つの勢力が衝突した当時、チムーは強大な勢力を誇り、ひ弱だったインカはその力を恐れたのです。しかし、300年以上にわたり広大な地域を支配したチムーの体制はすでに経年劣化による内部崩壊を始めており、若く勢いのあるインカにあっけなく滅ばされてしまったのです。
チャンチャン(輝く太陽という意味)は20平方キロにわたる広大な都市で20万〜25万人が生活していたとそうです。その中には一人の王に一つ作られたシウダデラと呼ばれる区画が9つあるのですが、現在公開されているのはその一つである「Palacio NIK-AN(ニック・アン宮殿)」のみです。
両側を高いアドベ(日干し煉瓦)の壁に囲まれた通路を歩くと、サッカー場ほどの広さがある儀式の広場に出ます。狭い通路の両脇には衛兵のような人形が立っています。もちろん、これはレプリカで本物は遺跡内の博物館に飾られています。
|
 |
高さ10mあるというアドベの高い壁が続く遺跡内部の通路。
|
 |
サッカー場のようなメインの儀式の広場。
|
 |
狭い出入り口と衛兵のような人形。ちょっとユーモラスだ。
|
 |
波と魚と海鳥を組み合わせたデザインのレリーフが施された「魚と鳥の廊下」。
|
|
風通しよく作られた格子状の壁
|
午後の強い日差しにちょっとげんなりしながらアドベの壁に囲まれた通路を進みます。
チャンチャン遺跡の特徴的な格子状の壁が見られるのがアウディエンシアといわれる場所です。ここは王に貢物を献上する場所だったと言うことです。格子は魚網をデザインしたといわれていますが、暑い場所ですから風通しがいいように作られているわけです。
また、そこにはペリカンなどのレリーフが施されています。きれいに見えますが、これはほとんどがレプリカで、オリジナルを元に再現しているのです。中にはオリジナルもあるのですが、ほとんどが、下のほうのよく見えない場所にありました。
砂漠の都市では、水を手に入れる方法が最も重要です。チャンチャンではアンデス山脈から流れてくる伏流水を集める灌漑施設が発達していたそうです。このチャンチャンでは水を貯めておく貯水池が120カ所以上もあったということです。
|
 |
土壁に囲まれた通路をかなり歩くが、暑くてかなり辛い。
|
 |
風通しがいいように格子状の窓が開けられた壁。
|
 |
様々な鳥の絵のレリーフが残されているが、これはレプリカ。
|
 |
レリーフの拡大写真。海岸部に多いペリカンのデザインだ。
|
 |
灌漑施設によって集められた水を溜めているチャンチャン最大の儀式用貯水池。鴨が遊んでいた。 |
|
伝統のトトラ船で遊べるワンチャコ海岸
|
遺跡見学が終わると、ワンチャコ海岸に向かいます。
ここはトトラという植物で作った船を使った漁業が昔から行われてきたところです。庶民的な海岸ですが、観光用のトトラ舟に乗ることができますし、ペリカンがたくさんいて、人を恐がらないのも面白いです。
|
 |
ワンチャコ海岸に佇むペリカン。
|
|
 |
|