世界一幹が太いエル・トゥーレの木
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今回はツアーを利用して、世界遺産のミトラ遺跡と絶景が見られるイエルベ・エル・アグアに行きます。ミトラ遺跡はツアーを利用しなくてもバスで簡単に行けるのですが、イエルベ・エル・アグアはちょっと遠いため、ツアーを使ったほうが便利です。
ツアーのバンにはメキシコ人の老夫婦とスイスとカナダから来た若者4人(うち女性一人)が乗り、朝9時に出発しました。まず向かったのは、ミトラに行く途中にある「エル・トゥーレの木」です。
この木はサンタ・マリア・デル・トゥーレという街の中心にある教会の庭に生えており、ギネスで世界一太い木と認定されているそうです。幹の太さは36mちょっとあるということですが、どこを測るかでかなり差が出るようで45mという記録もあるそうです。いずれにしろ木ですから、見ていても面白いものではありません。若者4人も木などには興味が無いようで、とっとと車に戻って勝手に盛り上がっていました。
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樹齢1500年ほどのエル・トゥーレの木。
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山中にできた自然のプール
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次はイエルベ・エル・アグアです。オアハカからは50kmというのですが、山の中にありますから結構時間がかかります。途中で織物の実演販売の店に寄ったりしながら、昼ころになってようやく到着しました。
駐車場から取付道路を歩いて行くとサボテンが生えた山の中の広大な光景が広がります。5分ほどで、崖沿いにある円形のプールが見えてきます。何人かの観光客が水着でつかっているこのプールは、ここに湧き出すカルシウム分を多量に含んだ水によって形作られたものです。
こうした自然のプールは世界中にありますね。他の場所では小さなプールがいくつも重なってできることが多いのですが、ここのは大きなプールが一つできています。水温は25度くらいですから、冷泉です。この日は肌寒さも感じる気温だったのですが、欧米の人たちは元気で水浴びを楽しんでいました。
この場所は山深にそそり立つ崖の上にありますから周囲の自然の眺望が抜群です。目を右方向に転じると白い滝のようなものが見えます。これも崖の上から流れ出たミネラル豊富な水の成分が固まってできたものです。ここに行く道を探して山を歩いてみましたが、滝の上には出れるものの、下には降りられません。別の道も探しましたが、山肌の細い道路が崩れていて、ちょっと危ないのです。ここで時間が来てしまい、結局、滝の下には行けませんでした。ツアーでは、どうでもいい土産物屋に時間を取られ、肝心な場所での時間が無いのが困ります。
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自然が作り出した石灰岩のプール。
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絶景が見られるイエルベ・エル・アグア。
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プールの近くにある石灰岩の滝。
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郷土料理モレ・ネグロに驚く
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ミトラ遺跡に行く前に昼食を取るということで、車はブッフェレストランに着きました。
外国人観光客相手のレストランですから、ホテルのブッフェのような感じで、様々な料理やデザートが並んでいます。オアハカの郷土料理であるモレ・ネグロもありました。私は早速、鳥もも肉にモレ・ネグロをかけて食べてみました。ところが、これまでのモレの味とは違い、舌が苦味が広がりました。食べる気が失せ、もったいないとは思ったものの、ウエイターに下げてもらうしかありませんでした。
モレにもいろんな種類があり、メキシコではスーパーでも売られています。そういう商品がうまくないのは聞いていましたが、レストランの料理がこんなにまずいとは思いもしませんでした。苦味が旨いと感じる人もいるのでしょうが、私は苦手です。
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雷紋デザインのモザイクがある遺跡
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次は、ミトラ遺跡に到着しました。世界遺産に登録されたサポテカ文明の遺跡ですが、規模が小さいので見学にあまり時間はかかりません。
ミトラ遺跡は四角い宮殿と中庭で構成されており、宮殿の壁面には小さな切り石をモザイク状に配置して、雷紋と呼ばれる独特の文様を浮き上がらせています。これが、オアハカの織物によく用いられるデザインです。
基本的に四角い石造りの建物にモザイク壁面があるだけです。デザインに興味がある人には面白いかもしれませんが、そうでなければ興味が湧きにくい遺跡です。見学はガイドの説明があるので40分程度かかりますが、なければ15分で見終わる感じです。ただ、古代遺跡としての雰囲気が良く、写真うつりは意外に良い遺跡なのです。
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四角い建物のミトラの宮殿。
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壁面に施された雷紋デザインのモザイク。
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オアハカ特産のメスカル酒の工場見学
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ツアーの最後は、オアハカ特産の酒メスカルの工場見学です。実は、メキシコを代表する酒であるテキーラはメスカルを作っていた村の名前で、メスカル酒の一種です。工場では、原料となる竜舌蘭から酒を作る工程を丁寧に説明してくれますが、疲れもあり面倒なので、若者たちは、「早くメスカル酒を飲ませろ」という感じで、話はまったく聞いていません。
見学の後は、売店でメスカルの試飲と購入です。酒好きはにこれが楽しみでしょうね。二日酔いの若者たちも、「気持ち悪い」といいながらも飲んでいました。
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メスカル酒の原料になるリュウゼツランの葉元。パイナップルに似ているのでピニャと呼ばれる。
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