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クエラップ要塞に行く! (ペルー)


標高3000米の北のマチュピチュ


観光開発が進むペルー北部の目玉遺跡

クエラップは、ペルー北部の山岳地帯に築かれた古代文明の城塞都市です。インカ帝国が隆盛を極める前、現在のアマゾナス県のチャチャポヤス地方にはチャチャポヤスと呼ばれる文化が栄えていました。彼らが外敵の侵入に備えて、標高3000mの山の頂に建設したのがこの都市なのです。

クエラップは雲の上の都市ということで、インカ帝国のマチュピチュと比較され、北のマチュピチュとも呼ばれています。近年、様々なメディアがクエラップに注目していて、2017年にはナショナルジオグラフィック・トラベラーが「海外のベストアトラクション」に、ウォールストリート・ジャーナル紙は「2018年に訪れるべきクールなデスティネーション」に選出しています。ペルー政府も、クエラップを含むチャチャポヤスを北部観光開発の目玉にしたいという意向があり、2016年にはクエラップと近くの村を結ぶロープウェイを開通させました。

チャチャポヤスの中央広場。正面はカテドラル。右側に旅行社やホテルが並んでいる。

 

クエラップへ

クエラップはマチュピチュに匹敵する素晴らしい遺跡だと聞いていましたから、かなり期待してツアーに参加しました。ツアーのワンボックスカーは6名の客を乗せて山奥にどんどん進んでいきます。太古の地層がむき出しになった巨大な岩山が並ぶ地形で、山腹にジグザグ道路がどこまでも続いています。車の助手席に座った私にはその景色がよく見えました。日本の山岳にはない、壮大な光景には驚かされます。

正面のテーブル状に見える山の頂上にクエラップ要塞がある。


途中休憩しながら山道を走り、クエラップの近くにある遺跡の入り口に着きました。現在は、ここまでロープウェイが来ています。ここから遺跡まで1kmちょっとです。


私たちが並んで取り付け道路を歩いていくと、クエラップ遺跡が正面に現れました。


クエラップの南端の城壁。船の舳先のような形をしています。


周囲を囲む高い城壁。巨石を使う日本やインカの石垣とは異なり、レンガのような小ぶりな石で緻密な石組みが特徴です。


クエラップの城壁内へ

クエラップを上から見ると、縦600m、横110mの楕円形をしており、周囲を最大20m高さの石垣で取り囲んでいます。歩いて近づくと、ほぼ垂直の石垣が数百メートル続く壮観な光景を見せています。

石垣に囲まれた城内に入るには東側に2カ所ある通路を伝います。人一人か二人が通れる細い通路の両側は高い石垣になっていて、敵が侵入すると上から石を落として殺すように作られているといいます。

クエラップの俯瞰図。


長さ600mある、東面の石垣。


東側に2カ所ある入り口の一つ。


クエラップの城塞内は、プエブロ・アルト(上の村)とプエブロ・バホ(下の村)の二つの階層に分かれており、高い石垣が二つの村を隔てています。


北端には「トレオン」という約7mの見張り塔があります。ここからは周囲の様子がよく見えます。下から登ってくる敵の侵入をいち早く察知できたはずです。


周囲の石垣や住居の壁面装飾にはひし形の模様がよく使われています。よく見ると、建物によってひし形内の模様が異なっていて、それぞれ意味がありそうです。


住居エリア

クエラップ全体では4000人ほどが生活していたそうで、チャチャポヤス人の円形の住居跡がいくつも残されています。ここには、侵略したインカ人の住居もあるのですが、それは四角になっています。

数多い住居跡の中で一つだけ藁葺き屋根を持つ住居を復元しています。その特徴はまるでおとぎの国の家みたいなとんがり帽子形の屋根です。

住居跡
周囲が良く見渡せる場所にあるチャチャポヤス人の住居跡。住居跡の先に見えるのは、山全体が耕作地になっている向かい側の山。


かなり壁が残ったチャチャポヤス人の円形住居跡。


復元された藁葺き屋根を持つ住居。とんがり帽子形の屋根は高さ10m以上あり、室内で煮炊きをするため部屋に煙がこもらないようにしているそうです。


テンプロ・マヨール(大神殿)と呼ばれる建物です。大きくはありませんが、逆円錐型の壁が美しい、手の込んだ建物です。


入城した時とは別の出入口を使って外に出ます。

堅固な要塞を作ったチャチャポヤスですが、この地方に侵入したインカは、ついにクエラップを占拠します。その後、インカ人もクエラップ城内に住みチャチャポヤス人を支配したのですが、やがてやってきたスペイン人に滅ばされてしまいました。


美しい自然景観

クエラップを北のマチュピチュと呼ぶのは、単に両方とも山の上にあるというだけでしょうね。同行したドイツ人女性は「マチュピチュよりこっちのほうがいい。こんなに景色がよくて気持ちがいいところあまりない。マチュピチュは観光客が多すぎる」と話していました。私は、全く異なった遺跡ですから比べるのは無意味だと思いますが、強いて言えば、遺跡はマチュピチュ、周囲の景観はクエラップという感じがします。

この時期(2月)、この地方は雨がよく降るのですが、幸いなことにこの日は天気が良く、私たちは遺跡の前の広い芝生に寝ころんで暖かい太陽の光を楽しみました。大自然の中でのんびりする気持ちよさは格別で、これは人の多いマチュピチュでは味わえないでしょうね。

リャマ
放し飼いにされているリャマ。


遺跡周辺の山と田園の風景は美しい。


2016年7月にはクエラップにロープウエイが完成しました。これによって、これまではティンゴ・ヌエボという村からクエラップ遺跡まで自動車で1時間半かかっていたのが20分で行けるようになりました。また、遺跡からは徒歩で2時間半〜3時間かけディンゴ村に下ることもできます。

 

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