黄色い町イサマル (メキシコ・ユカタン半島)



ユカタンの太陽に輝く「黄色い町」

イサマルの町は全体が黄色く塗られている。奥に見えるのが修道院。

メリダの周辺の小旅行で人気があるのが、バスで東に1時間ほどのところにあるイサマルという町だ。この町を有名にしているのは、スペインの司教ディエゴ・デ・ランダが院長を務めたイサマル修道院があることと、町全体が黄色に塗られていることだ。小さな田舎町ではあるが、町全体が黄色で塗られているという珍しさから、大勢の観光客が訪れるユカタンの人気スポットになっている。聞くところでは、メキシコ政府は、イサマルの世界遺産登録を計画しているということだ。

ちなみに、ディエゴ・デ・ランダは、マヤの絵文書を焚書にしたことや、マヤに関する貴重な記録である「ユカタン事物史」を著したことで有名で、スペイン人侵略後のマヤ民族の歴史の中では忘れられない人物といえる。




イサマルが黄色で塗られるようになったのは、19世紀に「白い街」と呼ばれるメリダに対抗して、町の色を決めようとしたことが始まりだという。黄色は、マヤの神話で人間がトウモロコシから生まれたとされていることから、トウモロコシの実の色として選ばれた。写真は町の中心にある修道院を取り囲む壁と入り口。


イサマル修道院の建物。建物自体は小さいが、歴史を感じさせる味わいがある。この修道院は、異端審問により多くのマヤの古文書を焼いたディエゴ・デ・ランダが院長を勤めた。ユカタンにおけるマヤとスペインの対立を象徴するような場所でもある。


イサマルの修道院はユカタンにおけるキリスト教の聖地となっており、巡礼地としても知られる。前庭にある大きな回廊が特徴で、これはバチカンの回廊に次ぐ大きさだという。


修道院の内部にある主祭壇の装飾。マリアを像を中心に聖人たちの絵が並んでいる。いかにもカトリックらしい装飾過多な祭壇だが、大聖堂の祭壇と比べると質素に見える。


修道院の横では観光馬車が客待ちをしている。この馬車で町の名所を巡りながら一周するのが観光客に人気だ。


イサマルの町もほぼ黄色で統一されている。強烈な日差しの下で色が映える。


デザイン的にも面白い光景があちこちで見られる。


ビールを運ぶトラックまで黄色に塗られている。


ユカタンは非常に暑い場所だ。日中、日差しを避けて風通しのいい軒下で食事やお茶をする人が多い。この建物は外観は黄色に塗られているが内側は白くなっている。ここまで黄色にすると落ち着かないのだろう。


町の中心部にある地元の工芸品を展示している施設。田舎とは思えない洗練されたデザインが目を引く。



展示館の内部はこんな感じ。民芸品など質がかなり高いものが展示されている。


展示物の一つ。メキシコらしい色彩の造形だが、丁寧な作りが素晴らしい。



 

巨大ピラミッド「キニチ・カクモ」の上部にある神殿

イサマルはかつてユカタン半島を支配したマヤの有力都市だった。町の近くには今でもマヤのピラミッドなどの神殿跡がいくつか残っている。キニチ・カクモ(Kinich-Kakmo)は、その中でも最大の規模を誇るピラミッド神殿だ。


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行き方
イサマルはユカタン半島の中心都市メリダから東に70kmに位置する。メリダの2等バスターミナルからイサマル行きのバスが出ている。所要時間は1時間ちょっと。2等バスのターミナルは、観光客が主に利用する1等バスのターミナルとは離れた場所にあるので注意。


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ラテンアメリカ博物館
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