雨の中、太陽の島ツアーに出発
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太陽の島は、インカの初代皇帝マンコ・カパックとその妹のママ・オクリョが降臨したという伝説がある人気の観光地となっています。コパカバーナで泊まったホテル・ミラドールの近くにある桟橋からツアー船が出ており、フロントでツアーのチケットを買うことができます。料金は30ボリビアーノ(450円くらい)です。
ツアー出発の朝は雨でした。目を覚ました時、ハッキリと分かる雨音が聞こえ、ガックリしました。窓のカーテンを開けると、雨に煙るチチカカ湖にたくさんのボートが浮いています。湖岸に人影はなく、ツアーが行われるのかと心配になるほどです。
とりあえず朝食を取った後、フロントの係員に「今日のツアーは大丈夫?」と聞いてみました。「もちろん」との答え。「雨でも仕方ないか」と思いながらレインウエアを着ると、湖に続く泥道を歩き出しました。
湖岸の桟橋に30人ほど乗れそうなボートが数隻停泊しています。ツアー会社の名前が入ったボートに乗り込むと、湿った重い空気の中で、すでに20人以上が待っていました。
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右側に太陽の島ツアーが出発する桟橋がある。
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ツアーのボートはこんな感じ。
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ボートの中ではみんなまったりしている。
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月の島に上陸
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ボートは雨の中を太陽の島に向けてゆっくり進んで行きます。途中で、係員からツアーの説明がありました。それによると、この会社の太陽の島ツアーは、最初に太陽の島の南側にある桟橋に着いた後、メインの港、北部の港へと移動していくのだそうです。ところが、この時は、北部のコミュニティで争いがあって行くことができないので、その代わりに月の島に行くと言います。通常は行かない月の島にも行けるのなら、私としてはむしろありがたかったのです。
やがて、雨も止んできました。1時間半以上かけて太陽の島に着くと、島に渡る人を降ろし、月の島に向けてまた走ります。そこから30分ほどで月の島に到着しました。
ここには処女の宮殿と呼ばれるインカの遺跡があります。インカ時代には、こうした施設が神殿と共に作られ、特に選ばれた女性たちに儀式用の織物を織らせたり、皇帝に仕えるのに必要な様々な知識を身につけさせたりしたそうです。一説には、神への生贄に捧げられる準備をさせたとも言われています。
小さい遺跡ですが、比較的きれいに整備されています。入場料は10ボリビアーノ(150円くらい)。
この遺跡から15分ほど坂を上っていくと、山の尾根に出ることができます。反対側では、湖に浮かぶ太陽の島を望む美しい景色が堪能できます。
月の島はこれで終了。すぐに、太陽の島に戻ります。このころになると天気も回復し、太陽が顔を出し始めました。気温も高くなってきたので、ボートの屋根に上ることにしました。広大な湖を渡るボートの上から見る景色は最高です。吹く風が冷たかったため、レインウエアにくるまって椅子に寝転がりました。太陽の日差しが眩しく、強い紫外線が降り注いでいるのが分かりますが、気持ちのいい温かさに包まれて眠くなりました。
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「処女の宮殿」の入り口。
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処女の宮殿と呼ばれるインカの遺跡。
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遺跡の上の方から見た景色
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尾根に上ると、遺跡の反対側に太陽の島が見える。
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ボートの屋根の上に乗って太陽の島を目指す。
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太陽の島でトレッキング
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ボートは太陽の島の南端にある桟橋に到着しました。係員が「ここのレストランで昼食の後、ボートでメインの港に向かうが、歩いて港に行くこともできる」と言います。私は、昼食を食べず、歩いて港に行くことにしました。
桟橋から尾根伝いに道が作られており、緩やかな上り坂が続くのですが、きつい道ではありません。途中には太陽の寺院ピルコカイナというインカの小さな遺跡があります。この辺りに、入島料を徴収する係員がいて10ボリビアーノを払いました。
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島の南端。下の方に桟橋があり、左側に宿泊施設とレストランがある。
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北に向かうトレッキング道。緩やかな上りだ。
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インカの遺跡「太陽の寺院」。
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素朴な自然が残るメイン集落
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1時間ほど歩くと、港の上の方に位置するメインの集落に着きます。
ここにはたくさんの宿泊施設や土産物屋が軒を連ねており、ちょっとした観光地になっています。多くの観光客は、メインの港にボートで着いて、ここまで急な階段を上っきます。非常に長く急な石段なので、登るのはちょっと辛い感じです。一方、南の桟橋からだと、距離は遠くても急な坂がない分、楽な感じがします。
集落からは、湖に囲まれた島ののんびりした風景を見ることができます。特に見所があるわけではないのですが、地元の人たちが生活する様子が垣間見える景色というのは、いいものです。
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下の方にメインの港がある。周辺には宿泊施設が多い。
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町のメイン通り。土産物屋やホテルが多い。
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メイン集落から見た月の島
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インカの聖なる泉
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集落から坂を下っていくと、途中にインカ時代の石垣から水が流れ出る「聖なる泉」があります。マチュピチュやオリャンタイタンボなどインカの遺跡でよく見られる水道と比べると貧弱ですが、港から続く長い石段を登ってきた時には、ちょっと休憩して汗ばんだ顔を洗ったりするのに便利です。
泉の水はそこから石段脇に設けられた水路を伝って下に流れており、周辺には花が咲いていて綺麗です。港まで降りると、午後発のツアーボートが着いて大勢の観光客が降りてきました。
ボートは3時半に港を出発し、コパカバーナ着は夕方5時となりました。500円に満たないツアー料金で丸1日楽しめるわけですから、他の国では考えられないコストパフォーマンスだと思います。
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石垣から水が流れている「聖なる泉」
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集落に上る入り口にはインカ皇帝の像が立っている。
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太陽の島のメインの港。周囲には宿泊施設が並んでいる。
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